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株式会社ストックジャパンに対する行政処分について

令和5年12月15日
関東財務局 - 引用

 

1.株式会社ストックジャパン(東京都品川区、法人番号8010401120108)(以下「当社」という。)に対する検査の結果、以下の問題が認められたことから、証券取引等監視委員会より行政処分を求める勧告が行われた。(令和5年12月5日付)

 

著しく事実に相違する表示のある広告をする行為等

 

 当社は、インターネット広告を通じて自社ウェブサイトに一般投資家を誘導し、無料会員登録をさせた上で、当該無料会員に対し、勧誘メールの送信や営業員の架電により投資顧問契約の締結の勧誘を行っている。
 また、自社ウェブサイトには、「推奨銘柄の実績」として、当社が推奨した銘柄の「推奨日」、「推奨日始値」、「推奨後高値」、「株価変動率」を掲載している(掲載しているページを以下「本件推奨実績ページ」という)。
 今回検査において、令和2年11月から同5年3月までの間の当社の広告、本件推奨実績ページの記載内容及び勧誘状況を確認したところ、以下の法令違反行為が認められた。

(1)著しく事実に相違する表示のある広告をする行為等
 当社は、自社ウェブサイト上の広告において、以下のとおり、利益の見込みについて著しく事実に相違する表示を行ったほか、事実であるかのように装うため法定帳簿に虚偽の内容を記載するなどした。
ア.当社と投資顧問契約を締結したという人物が、当社の助言により株で600万円以上の利益を得たという架空のエピソードを表示した。
イ.上記ア.を記載しているページは当社の広告であるにもかかわらず、当社の商号や名称、登録番号が記載されていないなど、広告等における表示義務事項を表示していなかった。
ウ.上記ア.の人物と投資顧問契約を締結した事実は一切ないにもかかわらず、当社営業部長は、上記ア.の人物と投資顧問契約を締結し、複数回にわたり、助言が行われたとの虚偽の内容を法定帳簿に記載した。

 

(2)著しく人を誤認させるような表示のある広告をする行為
 当社は、本件推奨実績ページに掲載している推奨実績のうち、少なくとも10銘柄について、顧客に売り推奨を行った日付及び株価ではなく、買い推奨後の最も高値を付けた日付及び株価(推奨後高値)、当該株価を元に計算した株価変動率を記載しているものの、その点について本件推奨実績ページには一切記載しておらず、あたかも推奨後高値が当社が顧客に売り推奨を行った日付及び株価であるかのように記載している。
 なお、令和2年11月1日から同5年3月31日までの間、延べ3,697名が本件推奨実績ページを閲覧した。
 また、当社は、自主規制機関である日本投資顧問業協会が令和元年10月及び同4年7月に行った監査において、本件推奨実績ページに関して、売り助言実績等を記載し、適正な表示を行うよう指導を受けていたにもかかわらず、何ら対応していない。

 

(3)顧客に対し虚偽のことを告げる行為
 当社は、投資顧問契約の締結の勧誘を行う際、顧客に割安感を与えるため、当社助言商品の勧誘用ウェブサイトページに「本来の投資顧問料」を「割引後の価格」として記載し、営業員から架電することで、延べ257件の契約を締結した。
 なお、当社の社内マニュアルには、実際には約定する意図のない価格を提示した上で値引きする旨のセールストークも記載されており、不適切な勧誘が組織的に行われていたと認められる。

 

 上記(1)、(2)及び(3)の法令違反行為は、営業部門及びコンプライアンス部門のいずれも法令遵守意識が著しく欠如している中で、代表者が内部管理の有効性を主導的に確保しておらず、結果として顧客獲得を優先する営業部門に対する内部管理部門による内部牽制が十分に機能していなかったことにより発生したものと認められる。

 

 当社の上記(1)ア.及び(2)の行為は、金融商品取引業に関する広告において、利益の見込みについて著しく事実に相違する表示及び助言実績について著しく人を誤認させるような表示を行うものであり、金融商品取引法第37条第2項に違反し、上記(1)イ.の行為は、同法第37条第1項に違反する。
 また、同ウ.の行為は、法令で定める帳簿書類に虚偽の記載を行ったものであり、同法第47条に違反する。
 さらに、上記(3)の行為は、金融商品取引契約の締結又はその勧誘に関して、顧客に対し虚偽のことを告げる行為であり、同法第38条第1号に該当するものと認められる。

 

2.以上のことから、本日、当社に対し、下記(1)については金融商品取引法第52条第1項の規定に基づき、下記(2)については同法第51条の規定に基づき、以下の行政処分を行った。

 

 

(1)業務停止命令
新たな投資顧問契約(契約金額の増額を伴う変更契約を含む。)の締結に係る勧誘・契約締結を令和5年12月15日から令和6年1月14日まで停止すること。

 

(2)業務改善命令
1) 不適切な広告の掲載を直ちに停止すること。
2)本件の発生原因を分析し、適切な業務運営態勢及び内部管理態勢の構築を含む再発防止策を策定・実施すること。
3)全ての顧客に対し、今回の行政処分の内容を説明し、適切な対応を行うこと。
4)本件法令違反行為の責任の所在を明確にすること。
5)上記1)から4)の対応状況について、令和6年1月15日までに書面により報告すること。

 

 

㈱ストックジャパンに対する検査結果に基づく勧告について

令和5年12月5日
証券取引等監視委員会 - 引用

 

1.勧告の内容
関東財務局長が株式会社ストックジャパン(東京都品川区、法人番号8010401120108、代表取締役 河端 哲朗(注)、資本金1000万円、常勤役職員19名、投資助言・代理業)を検査した結果、下記のとおり、当該金融商品取引業者に係る問題が認められたので、本日、証券取引等監視委員会は、内閣総理大臣及び金融庁長官に対して、金融庁設置法第20条第1項の規定に基づき、行政処分を行うよう勧告した。
(注)令和5年10月10日付で代表取締役に就任(前代表取締役は有宗 良治氏)。

 

2.事実関係
○ 著しく事実に相違する表示のある広告をする行為等
 株式会社ストックジャパン(以下「当社」という。)は、インターネット広告を通じて自社ウェブサイトに一般投資家を誘導し、無料会員登録をさせた上で、当該無料会員に対し、勧誘メールの送信や営業員の架電により投資顧問契約の締結の勧誘を行っている。
 また、自社ウェブサイトには、「推奨銘柄の実績」として、当社が推奨した銘柄の「推奨日」、「推奨日始値」、「推奨後高値」、「株価変動率」を掲載している(掲載しているページを以下「本件推奨実績ページ」という)。
 今回検査において、令和2年11月から同5年3月までの間の当社の広告、本件推奨実績ページの記載内容及び勧誘状況を確認したところ、以下の法令違反行為が認められた。

 

①  著しく事実に相違する表示のある広告をする行為等
 当社は、自社ウェブサイト上の広告において、以下のとおり、利益の見込みについて著しく事実に相違する表示を行ったほか、事実であるかのように装うため法定帳簿に虚偽の内容を記載するなどした。
ア.当社と投資顧問契約を締結したという人物が、当社の助言により株で600万円以上の利益を得たという架空のエピソードを表示した(別紙参照)。
イ.上記ア.を記載しているページは当社の広告であるにもかかわらず、当社の商号や名称、登録番号が記載されていないなど、広告等における表示義務事項を表示していなかった。
ウ.上記ア.の人物と投資顧問契約を締結した事実は一切ないにもかかわらず、当社営業部長は、上記ア.の人物と投資顧問契約を締結し、複数回にわたり、助言が行われたとの虚偽の内容を法定帳簿に記載した。

 

②  著しく人を誤認させるような表示のある広告をする行為
 当社は、本件推奨実績ページに掲載している推奨実績のうち、少なくとも10銘柄について、顧客に売り推奨を行った日付及び株価ではなく、買い推奨後の最も高値を付けた日付及び株価(推奨後高値)、当該株価を元に計算した株価変動率を記載しているものの、その点について本件推奨実績ページには一切記載しておらず、あたかも推奨後高値が当社が顧客に売り推奨を行った日付及び株価であるかのように記載している(別紙参照)。
 なお、令和2年11月1日から同5年3月31日までの間、延べ3,697名が本件推奨実績ページを閲覧した。
 また、当社は、自主規制機関である日本投資顧問業協会が令和元年10月及び同4年7月に行った監査において、本件推奨実績ページに関して、売り助言実績等を記載し、適正な表示を行うよう指導を受けていたにもかかわらず、何ら対応していない。

 

③  顧客に対し虚偽のことを告げる行為
 当社は、投資顧問契約の締結の勧誘を行う際、顧客に割安感を与えるため、当社助言商品の勧誘用ウェブサイトページに「本来の投資顧問料」を「割引後の価格」として記載し、営業員から架電することで、延べ257件の契約を締結した(別紙参照)。
 なお、当社の社内マニュアルには、実際には約定する意図のない価格を提示した上で値引きする旨のセールストークも記載されており、不適切な勧誘が組織的に行われていたと認められる。

 

 上記①、②及び③の法令違反行為は、営業部門及びコンプライアンス部門のいずれも法令遵守意識が著しく欠如している中で、代表者が内部管理の有効性を主導的に確保しておらず、結果として顧客獲得を優先する営業部門に対する内部管理部門による内部牽制が十分に機能していなかったことにより発生したものと認められる。

 

当社の上記①ア.及び②の行為は、金融商品取引業に関する広告において、利益の見込みについて著しく事実に相違する表示及び助言実績について著しく人を誤認させるような表示を行うものであり、金融商品取引法第37条第2項に違反し、上記①イ.の行為は、同法第37条第1項に違反する。
 また、同ウ.の行為は、法令で定める帳簿書類に虚偽の記載を行ったものであり、同法第47条に違反する。
 さらに、上記③の行為は、金融商品取引契約の締結又はその勧誘に関して、顧客に対し虚偽のことを告げる行為であり、同法第38条第1号に該当するものと認められる。

 

(以上)

 

(別紙)

 

① 当社と投資顧問契約を締結したという人物の架空のエピソードの例
・有料コンテンツのほうも試してみましたが、こちらは投資顧問料を支払って十分に利益が出る、納得の内容でした。最初の銘柄の取り組みでまず顧問料がペイできました。
・最初はズルズル含み損が400万円超まで増えたダメ人間です。株のことを誰に聞いたらいいかすらわからず、路頭に迷っていました。そんな私でも先月は、株の利益が600万円を越えました。

 

② 当社が行った著しく人を誤認させるような表示のある広告の例
○ 本件推奨実績ページにおける記載
銘柄名   △△△(△△△には個別銘柄名を記載)
推奨日   2022年05月31日 推奨日始値 1,623円
推奨後高値 2022年09月15日 3,190円
株価変動率 +97%
※ 顧客に対して行った実際の助言内容
銘柄名   △△△
買い推奨日 2022年06月03日 1,600円
売り推奨日 2022年06月16日 1,620円

 

③ 当社が行った虚偽告知の例
イ.「○○○ 迎春お年玉銘柄」
718,000円 ⇒ 50%OFF 359,000円(お年玉特価)
※ 本来の投資顧問料は359,000円

ロ.「初参加者限定 ●●● テンバガープロジェクト!!投資元本10倍以上期待」
100万円 ⇒ 50万円
※ 本来の投資顧問料は50万円


 

(参考条文)
○ 金融商品取引法(昭和23年法律第25号)(抄)
(広告等の規制)
第三十七条 金融商品取引業者等は、その行う金融商品取引業の内容について広告その他これに類似するものとして内閣府令で定める行為をするときは、内閣府令で定めるところにより、次に掲げる事項を表示しなければならない。
一 当該金融商品取引業者等の商号、名称又は氏名
二 金融商品取引業者等である旨及び当該金融商品取引業者等の登録番号
三 当該金融商品取引業者等の行う金融商品取引業の内容に関する事項であつて、顧客の判断に影響を及ぼすこととなる重要なものとして政令で定めるもの
2 金融商品取引業者等は、その行う金融商品取引業に関して広告その他これに類似するものとして内閣府令で定める行為をするときは、金融商品取引行為を行ことによる利益の見込みその他内閣府令で定める事項について、著しく事実に相違する表示をし、又は著しく人を誤認させるような表示をしてはならない。

  (禁止行為)
第三十八条 金融商品取引業者等又はその役員若しくは使用人は、次に掲げる行為をしてはならない。ただし、第四号から第六号までに掲げる行為にあつては、投資者の保護に欠け、取引の公正を害し、又は金融商品取引業の信用を失墜させるおそれのないものとして内閣府令で定めるものを除く。
一 金融商品取引契約の締結又はその勧誘に関して、顧客に対し虚偽のことを告げる行為
二~九 (略)

(業務に関する帳簿書類)
第四十七条 金融商品取引業者(第一種金融商品取引業を行う者を除く。以下この款において同じ。)は、内閣府令で定めるところにより、その業務に関する帳簿書類を作成し、これを保存しなければならない。

 

〇 金融商品取引業等に関する内閣府令(平成19年内閣府令第52号)(抄)
(誇大広告をしてはならない事項)
第七十八条 法第三十七条第二項に規定する内閣府令で定める事項は、次に掲げる事項とする。
一~五 (略)
六 金融商品取引業者等の金融商品取引業(登録金融機関にあっては、登録金融機関業務)の実績に関する事項
七~十四 (略)

(業務に関する帳簿書類)
第百五十七条 法第四十六条の二の規定により金融商品取引業者(第一種金融商品取引業を行う者に限る。以下この款において同じ。)が作成すべき帳簿書類は、次に掲げるものとする。
一~十五の二 (略)
十六 投資助言・代理業を行う者であるときは、次に掲げるもの
イ その締結した投資顧問契約の内容を記載した書面
ロ 投資顧問契約に基づく助言の内容を記載した書面
ハ (略)
ニ 投資顧問契約又は投資一任契約の締結の代理又は媒介に係る取引記録
十七・十八 (略)
2・3 (略)

(業務に関する帳簿書類)
第百八十一条 法第四十七条の規定により金融商品取引業者(第一種金融商品取引業を行う者を除く。以下この款において同じ。)が作成すべき帳簿書類は、次に掲げるものとする。
一・二 (略)
三 投資助言・代理業を行う者であるときは、第百五十七条第一項第十六号に掲げる帳簿書類
四・五 (略)
2~4 (略)

 

 

 


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専門でないと、
「あきらめなさい」
「どうせ取り返せない」などと言われます。

 

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