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令和6年3月7日
朝日新聞デジタル - 引用
警察庁は7日、SNSを通じて投資を勧める「SNS型投資詐欺」と、恋愛感情を抱かせて金銭をだまし取る「ロマンス詐欺」の被害状況を初めてまとめた。昨年の被害件数は合わせて3846件、被害額は455億2千万円。オレオレ詐欺など特殊詐欺の被害額(約441億2千万円)を上回った。
警察庁によると、ロマンス詐欺も多くが投資名目で、合わせてまとめた。投資ブームで、ネットで手軽に投資できるようになったことが被害増加の背景にあると分析。捜査の体制作りや被害防止対策を急ぐ。
昨年の犯罪情勢で詐欺の被害が目立って増え、警察庁はこうした新しい手口の詐欺に絞り、都道府県警での昨年の被害届受理状況を集計した。
昨年のSNS型投資詐欺の認知件数は2271件、被害額が277億9千万円。ロマンス詐欺の認知件数は1575件、被害額が177億3千万円だった。1件あたりの平均被害額は、いずれも1千万円を超えた。
SNS型は1~6月が月100件前後だったが、7月に204件に急増して伸び続け、12月には369件となった。12月の被害額は53億円で、1月の6倍だった。
手口は、SNSで「確率の高い資産運用がある」などとメッセージを送り、現金を振り込ませるというもの。LINEグループに突然入れられるケースも多い。犯人側が称する職業は投資家が6割近くを占め、会社員や会社役員と続く。
ロマンス詐欺では外国人などを装い、「一緒に生活していくためのお金を増やそう」などと持ちかける。犯人側が称した国籍は韓国や中国などの東アジア、日本、タイやインドネシアなどの東南アジア、米国などの北米、欧州の順に多い。称する職業は会社役員が最多で、投資家、医療関係者などが続く。被害件数の7割超が投資名目で、金銭を要求されていた。
投資詐欺、ロマンス詐欺のいずれも、被害者は男性が50代と60代、女性が40代と50代が多い。
特殊詐欺の場合は多くが電話で接触し、少ない回数のやりとりで被害に至るのに対し、これらの詐欺ではSNSが使われる。SNS型投資詐欺で最初に接触するツールの種類をみると、被害男性はフェイスブック、女性はインスタグラムが最も多く、LINEなどが続く。特殊詐欺と違って投資名目のため、繰り返し被害に遭う特徴があるという。
警察庁は5日、全国の警察に専門の捜査班を作って実態解明を進めるように指示。金融機関や証券会社などと連携し、詐欺のサイトへ誘導するSNSの投稿の削除や、利用された口座の凍結などを進めるよう求めた。警察庁の露木康浩長官は7日の定例会見で、「極めて憂慮すべき状況にある。各種対策を強力に進めていきたい」と話した。
被害の例
【SNS型投資詐欺】
・大阪府の60代の女性 昨年4月、LINEの「投資モニター会員募集」という広告をクリックした。自称投資コンサルタントの男性からLINEメッセージが届き、「絶対お得でもうかる」と投資に誘われた。指定された口座に7回にわたり約1400万円を入金したが、昨年7月に男性と連絡が取れなくなった。
・徳島県の70代の男性 昨年6月、フェイスブックで知り合った女性から「確率の高い資産運用がある」「取引の金額を上げれば更に利益が出る」などと誘われた。約1カ月間で20回以上、指定された口座に入金したり暗号資産を購入したりしたが、暗号資産の現金化ができなかった。被害は約2億4500万円になった。
【ロマンス詐欺】
・奈良県の40代の女性 昨年7月、インスタグラムで東京都在住の米国人を名乗る男性からメッセージを受け取り、やりとりを始めた。男性から「一緒に生活していくためのお金を増やそう」と投資を勧められ、4回にわたり指定された口座に計約700万円を入金した。友人に詐欺ではないかと言われ、被害に気づいた。
・福井県の40代の男性 昨年3月、インスタグラムで自称マカオ在住の女性からメッセージを受け取り、やりとりを始めた。「私たちの仲が良くなるため」として暗号資産の短期取引を勧められ、5回にわたり約650万円を指定された口座に入金した。暗号資産を引き出そうとしたところ、法外な手数料を請求された。
(警察庁による)